[色者(しきしゃ)のぼやき] 第23回
「四国合唱コンクール in 高知」
日時:2005年9月4日(日)
昨年全国大会出場を逃し1年の月日があっという間にすぎた。 今年はなんとしても全国に行きたい!と臨んだ大会でもあった。 いつもは団長に任せている前日の代表者会議も今年は自分の気合いを入れるため(?)に出ることにした。 う〜ん、なんだか指揮者らしきお顔が見あたらない。 つまりはどの合唱団もこの時間最終練習に勤しんでいるわけだ・・・ 「これはシマッタ!」とまず大慌て! しかし今更、徳島にいる本体を呼んで練習するわけにもいかず。 「まあウチは明日にかけるしかない」とやけ食い&やけ飲み(?)で、高知の夜しずかに床につく。。。 団長はどこへ遊びにいったのだろうか?
場所:高知市文化プラザ大ホール“かるぽーと”
4日当日あさ「響」本体が続々と高知入り。 高速道路のおかげで最近は2時間とすこしで徳島と高知をむすぶ。 疲れを問う間もなく練習会場の公民館へ。幸か不幸かほとんど響かない空間。 パート内の声をそろえることに終始する。 決して満足とは言えないが、のどが暖まってきたところで練習終了。 コンクール会場に向かう。 この高知市民プラザ大ホール“かるぽーと”は今年の1月に全四国男声合唱フェスティバルで歌ったばかりで、 ほとんどの団員は舞台や客席の様子をおぼえているはず・・・ チョット余裕をもって舞台袖の待機に入ったはずだった。
今年のライバルは愛媛の「コール・サル」・・・ 少人数でモンテベルディなどの洋楽アンサンブルを澄んだ声で楽しく軽快に歌うイメージがあったのだが、 今年は人数をB団体に増やして、課題曲・自由曲とも邦人作品を選曲した。 課題曲のG3は曲のもつもの悲しさを十分に表現し、思わず自分もクチずさんでしまうほど惹かれる演奏だった。 自由曲の「どちりなきりしたん」も、音程・リズムとも難解であるにもかかわらず各パートがきちんと動き、 歌詞もきちんと聴き手に届くようなハッキリした発声で、本当に好演であった。。。 演奏会ならこのまま余韻に浸っていればいいのだが、コンクールはそうはいかず、 もはや開き直るしか手段はないと腹をくくってステージにむかった。
課題曲のM1は、とにかく耳を働かせて他のパートの動きを把握しながら歌うことが絶対条件。 しかし暗譜するのが精一杯の団員にその要求はムリ。 よって指揮はとにかく走らないように注意し、主旋律パートの引き出しに重きを置いた・・・ それでも予想より10秒近く早い演奏になってしまった。自由曲はマデトヤの「De profundis」。 昨年もマデトヤを自由曲で取り上げたがフィンランド語の発音をマスターするのにかなり苦戦した。 よって今年はオーソドックスに「ラテン語」・・・しかし毎度のことながら発音の仕方に四苦八苦。 審査員の先生がどう捉えるか微妙に気になった。 課題曲とちがい、自由曲は“ドラマチック”に演奏したいという主旨で、 4部からなるこの長曲をすこしはアピールできたのではないかと思った。 やるだけのことはやった・・・というのが舞台を降りるときの正直な感想だった。
いつもごとく審査結果まちで静まりかえるホール内に、 「響」の団内員から「1曲行きましょうよ!」と声がかかり、ホントにやるの??? とお互い牽制しながらも元気よく「いざたて」を歌い出した・・・ すると重苦しかった会場の空気が一変! 手拍子も始まりとても和やかな雰囲気になった。 その後、歌姫、坂出高校と歌が続き「あ〜、もう結果なんてどうでもいいかなあ♪」と思えるほど、 この場の雰囲気に酔ったような気がした。 四国でも“ストーム”がおこるようになったことが素直にうれしかった。
審査の結果、「響」は4年連続で金賞受賞し四国代表となった。 おなじく「コール・サル」も金賞・・・高いレベルで競えたことに非常に満足。 両者の差はほとんどなかったものと思われる。 演奏順など微妙なちがいが勝負をわけたに違いない。審査員評は以下のとおり。
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★荻久保和明先生
(課)密集男声でこの対位法はつらいであろうに、よくまとめていました。
(自)男声でこのデリカシー!単なるハモリ屋ではなさそうだ。 dimが極めて美しい。いいものを聴かせてもらいました。
★山本寿太郎先生
豊かなひびきのある合唱団。暖かみのある演奏でした。 表情もよく客席に訴えかけていました。ベストの演奏と思います。
★水嶋良雄先生
「u」の構音をもっと世界的にすると良い。立派な男声合唱です。 「exaudi」「vocem」「copiosa」の発音注意。
★上月明先生
充実した立派な声の男声合唱です。緊張感の持続した見事な演奏であったと思います。
★吉村信良先生
男声合唱で一番難しいといわれる16世紀のポリフォニーを歌ってくれてありがとう。 よかったよ。マデトヤ、soloとchorの掛け合いがいい。選曲もよかったよ。
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いつも吠えてばっかりでアカ抜けしなかった「響」の男声合唱も、 ここへきってやっと穏やかに聴いてもらえるようなトーンに近づきつつあるのかな〜♪ と思えるようなコメントでうれしかった。 全国大会は全くの別世界で競演である。 今まで過去2回は「競うこと」より「参加すること」に重きを置いていたが、 そろそろ「競いたい」と思っているのは自分だけだろうか? 残された時間でなんとか全員のテンションをあげて新潟に乗り込みたいと思っている。
−2005年10月30日更新− |